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吉川酒店20年前の阪神淡路大震災が蘇る

  • 新山ひろし
  • 2015年7月2日
  • 読了時間: 2分

JR三宮駅を線路に沿って東に歩く。二宮の町を過ぎると、何だか古き良き神戸に触れた気になってくる。4〜5分歩いて、北から南にJRのガードをくぐると、少し、ひっそりとした街並みに入っていく。もう、東の方に生田川に架かる橋が見えてくる。その少し手前の酒屋が、最近気に入っている「吉川酒店」だ。暖簾をくぐると、左に立ち飲みカウンター、右側はテーブルが三つほど・・。立っても座っても飲める設えである。もちろん、僕らは左側の立ち飲みカウンターに向かう。酒は、真ん前の大きな透明の冷蔵ケースに一升瓶がズラリ。すごい。これは全国から集めた酒の逸品を隣の角打ちスペースで提供するという「おもてなし」。酒屋の販売の力が角打ちに反映しており、その品揃えが楽しめることは、この角打ちの魅力である。とても贅沢なことだ。さて、今夜は何にするか・・まずは、新潟の濁りをいっぱい。あては、お造りがある・・それをひとつ。そして、あとは菜の花漬けか・・それもひとつ。それぞれが小粋な鉢で出てきた。ちょっと「割烹」な気分か・・店のデザインはモダンで都会的なのだが、値段はリーズナブル。客に向かう中年女性二人もリラックスしており、さりげないところがいい。落ち着くなあ・・きっと、経営者のご家族なのだろう。というのも「この辺りは20年前の震災はどうだったんですか・・」と振ってみたら「全壊・・ぐっちゃぐちゃ・・」と、20年前の話がリアルに返ってきたからだ。この店も一回潰れて再建したわけだ・・それで、ひとしきり震災話で盛り上がり、なんだかゆったりとくつろいだ。20年前、僕は長田に「長田からだこころほぐし隊」としてボランティアとして通っていた。2年ほど仮設を中心に、イベントを行ってきた。その時のことを思い出しながら酒を飲んだ。神戸よ、よくここまでって気持ちもある。しかし、まだまだ、あの震災の傷は赤々としているんだなあとも思う。吉川酒店で、そんな会話があり、そんな夜があり、神戸に来たら・・この店に足が向くようになったというわけだ。おしまい。

吉川酒店 神戸市中央区旭通1ー2 電話078−221−6890

かんたち通信・KANSAI立ち飲み倶楽部


 
 
 

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