尼崎競艇・中島南店
- 新山ひろし
- 2015年7月21日
- 読了時間: 2分
「飲む・打つ・買う」という男の悲しい性がある。ここ「阪神センタープール」通称「尼崎競艇」に来るとその思いが実感として迫ってくる。巨大な池には船のジェットエンジンの爆音が響き、水しぶきが上がる。観客たちは歓声をあげて、それぞれの船を応援している。訪れたのが平日だったせいもあるが、競艇場は程よい人出で、まことに居心地が良い。僕は、ギャンブルには縁がないが、このボートレースは水上のダンスショーとして観てもなかなか爽快なものである。舟券を試しに千円ほど買ったが当たるはずもなく、なんとなくバカバカしくなって、早々に退散とはなった。しかし、実は実は、この競艇場の西側に飛び切りの立ち飲みがあるのだ。中島南店、店には大きなテレビが置いてあり、リアルタイムで競艇を放送している。ここでは船券を買って酒を飲みながら実況を楽しめる。店は朝から開いており食事もできる。酒は地元灘の純米酒を揃えており酒飲みたちをうんうん唸らせている。ギャンブルに興味がない人でも楽しめる。それに、やはり、ギャンブルの匂いがして、どこか欲望がギラギラしており、その男臭いワイルドな気分は時にはとても清々しい。男の欲望の三種神器である「飲む・打つ・買う」の飲む・打つが見事に花開いているのである。そして、競馬と違って競艇はなんだかとてもマイナーな感じがして・・立ち飲み的な「場末感」がある。一人寂しい時、この界隈に来れば、男の欲望の渦に巻き込まれ、自己嫌悪ばかりするわが習癖も、しばし、時を忘れることができるのである。もし、世界にギャンブルがなかったらどうなるのだろう。もし、世界に酒がなかったらどうなるのだろう・・・しかし、カジノが大阪にできるという話もある。そうしたら、カジノで人生を棒にふる男たちがいっぱい出てくるそうだ。自分だってそうなるかもしれぬ。この問題は、考え出したら止まらない。今日はもう考えるのはやめて、灘の純米をあと2杯ほど飲みほす事にしよう。はいはい。
かんたち通信・KANSAI立ち飲み倶楽部
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