辻本たかしの立ち飲みアート 第1回
- 文:新山ひろし
- 2016年1月24日
- 読了時間: 1分

第1話『立ち飲みは缶詰バーである』
カウンターの前にはズラリと缶詰が並んでいる。
ピカピカに磨かれた缶詰が妙に色っぽい。
オイルサージン、これは、フタを開けてガス台の乗せて、レモンを絞り入れる。
アスパラ缶、これは、マヨネーズと醤油・・
そして、鮭缶。
鮭缶は缶の上面のリングを跳ね上げる。
ギッシリと鮭が入っている。
酢をたっぷりとかけ、醤油を数滴。
これがたまらない。
缶詰さえあれば、極楽。
立ち飲みは「缶詰バー」なんだ。
今回の店<マルキン酒店>
大阪市旭区赤川三丁目。淀川の散歩の終着駅。
美しく並べられた缶詰に陶然として時を忘れる。
ブーメランのようなカーブを持ったカウンターに身を寄せれば、
生きている幸せが、まるで波のようにわたしの胸に打ち寄せる。
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